今さら聞けない! 調味料の基本 ~味噌編~

今さら聞けない! 調味料の基本 ~味噌編~

発酵大国日本。中でも味噌は大豆を原料にした伝統的な発酵調味料です。
日本には地域によってさまざまな味噌があります。味や色など、個性あふれる味噌を紹介します!

味噌

味噌の製造方法

味噌の製造方法には、大きく分けて2つあります。1つは、大豆や米、麦を主原料に、塩と微生物で作り、ゆっくりと熟成させる方法を天然醸造といいます。
もう1つは、人工的に温度を調整し、酵素や微生物の働きを促進させ短期間で仕上げる方法を速醸法といいます。

味噌の製造方法

味と色

麹の割合が多く、食塩量が少ないと甘口に仕上がり、麹の割合が少なく、食塩量が多いと辛口になります。
また味噌の色は、熟成期間の長さが関係しています。熟成期間が短いと淡色、長いと褐色を呈します。
このように色がつくことをメイラード反応といい、主に食品中に含まれるタンパク質と糖質の化学反応によるものです。
この反応に伴い、香りも生じます。

味噌の素晴らしい生理作用

  • タンパク質、食物繊維、レシチン、サポニンは体内のコレステロール値を低下させ、動脈硬化を予防します。
  • ビタミンE、サポニン、リノール酸は活性酸素の活性を抑えるのでアンチエイジングにつながります。
  • 大豆イソフラボンは、発酵により吸収しやすくなります。女性ホルモンに似た働きをするため、女性らしい体つきや更年期障害を予防します。
  • 乳酸菌や麹菌などの善玉菌が多く含まれるため、整腸作用が期待されます。
  • 麹に含まれるコウジ酸はメラニンを合成させない作用があり、体内の老廃物を排出する働きを助けます。
    そのため、肌の新陳代謝を促進し、ハリのある肌をつくります。

レシピ

味噌はご自宅でも作れますので、今回は手作り味噌の作り方を紹介します!

手作り味噌

材料
材料名 分量
大豆 250g
食塩 125g
米麹 500g
大豆の煮汁または水 50ccくらい(要調整)
作り方
  1. 大豆をたっぷりの水に浸し、2倍くらいの大きさになったらそのまま3~4時間弱火で煮る。
    アクはこまめにすくい、指でつぶせる位になったらザルにあげて冷ます。
  2. 冷めたらつぶして土手を作り、中央に食塩を混ぜ込んだ米麹をひとつかみ入れ、土手を崩してこねる。これを何度か繰り返す。
  3. ①のゆで汁を加えながら、固めていき、耳たぶくらいの硬さになったら空気を出すようにひとまとめにする。
  4. ③を大き目のおにぎりくらいの大きさに分けて、1つずつ丸め味噌玉を作る。
    焼酎で内側でふいた容器に入れ、表面をならしていく。これを繰り返し、最後は表面にしっかりラップをして空気を抜く。
  5. ⑤ 3~6か月間、発酵・熟成をさせて完成。

手作り味噌の保存方法

  • 日の当たらない冷暗所
  • 常温(発酵温度25~35℃)
  • 風通しのよいところが望ましいが、味噌には空気を触れさせないようにする
  • 天地返しをする(製造から1~2か月後に上下を入れ替える)
  • 熟成した味噌は容器に入れて冷蔵庫で保存する
  • カビ(主に赤・白・黒・青)が出たらすくって捨てる

手作り味噌

 

気温が低くなる季節は、「寒仕込み」といって味噌づくりに最適です!
寒い季節には、ぜひMy手作り味噌に挑戦してみてはいかがでしょうか。

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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