家庭で取り組む食育

家庭で取り組む食育

「食育」が大切だということはよくわかってはいても、家庭では何をしたらいいのか、そもそも、食育ってどんなものなのか、いまさら聞けないことをまとめてみました。

食育とは?

  1. 生きる上での基本であって、知育、徳育及び 体育の基礎となるべきもの
  2. 様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること

2005年に施行された食育基本法の中では、食育を上記のように説明しています。
食育基本法とは「国民が健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむため、食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進することなどを目的とした」法律です。

なぜ、注目されているの?

食育が、食生活に関わる様々な問題(栄養の偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加、食の海外への依存、伝統的な食文化の危機、食の安全など)を解決するキーワードとして期待されているからです。

家庭では何をしたらいいの?

食育に取り組む場は、地方公共団体(自治体)、学校、地域、家庭などがありますが、このうち、最も身近で取り組みやすいのが家庭です。
そこで、まずは、こどもと一緒に食べる機会を増やすことから始めてみましょう。
こどもは、安心できる人と一緒に同じものを食べながら、おいしい、楽しい、嬉しい、おなかいっぱいで満足、という経験を繰り返すことで、食に対する良いイメージと興味を抱くようになります。
その上で、食に関わる様々な経験を繰り返すことで、次の4つの心が育っていきます。

  • 我慢する心
    全員揃ってから一緒に食べ始めたり、限られた量の料理を分け合ったりすることで、我慢する心が育ちます。
  • 共感する心
    同じものを食べて「おいしいね」「いい香りだね」「サクサクしているね」などの感想を共有することで、共感する心が育ちます。
  • 思いやる心
    お互いが気持ち良く食べるためにマナーを覚えたり、食べる速さを調節したり、さらには、相手の食べる様子を見て話しかけるタイミングを計ったりすることで、相手を思いやる心が育ちます。
  • 感謝する心
    おいしいものを作ってくれている姿を見たり、それが提供されるまでの一連の準備(食材購入、運搬、保存など)の様子を見たりすることで、感謝する心が育ちます。

もし、こどもと一緒に食べる機会を確保できない場合は、食に関するメッセージを書いたメモを渡したり、あとで、こどもに「今日は何を食べたの?どうだった?」と様子を尋ねたりしてみましょう。
そして、一緒に食べることができた時には「みんなと一緒に食べたほうが、やっぱり楽しいな、おいしいな」という気持ちを伝えるようにしてみましょう。

食育と家庭

このようにして心が育まれたこどもは、やがて、自分が食べた物によって自分の体が育っていくことを理解できるようになるとともに、望ましい食べ物を自分で選んで食べたり、食べ物に関する知識を積極的に高めたりすることができるようになることでしょう。

食育 元気な子供

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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